アメリカの危険な法廷地(2005年版)(060328)
「危険な法廷地」とは、被告である企業にとってPL裁判を受けたくない「注意すべき法廷地」、「危険な法廷地」を意味します。製品を輸出する場合、このような「危険な法廷地」のある地域での販売は避けたいものです。しかし、仮に比較的被告メーカーに有利な地域で製品を販売したとしても、危険な法廷地の住民が購入しているかもしれませんし、販売地、契約地、事故発生地、住居地、不法行為地など、どこで裁判をおこされるかわかりません。こればかりはメーカーとして危険回避しようがないのです。
少しでも公平な裁判が期待される「州地裁から連邦地裁への移送の申し立て」とか、「不当な証拠採用への異議申し立て」といった、あらゆる法的対抗手段を講じても、結果的に案件によっては「なぜ、こんな理不尽な和解に応じざるを得ないのか?」といった状況に陥ることもあるのです。そのような状況は、今回紹介する「危険な法廷地」で発生することが多いのです。
このような米国の裁判制度を米国の企業はどう思っているのでしょうか?本稿は、この点について米国商務省が行なった調査結果を紹介します。