遊具『箱ブランコ』のPL判例紹介(020325)
1997年当時、市の公園で遊んでいた小学3年生だった少女が、両側から箱ブランコの背もたれを押し合って遊んでいたところ、転倒し、揺れていた箱ブランコと地面との間に下半身を挟まれ、右足骨折の重傷を負いました。被災者は遊具メーカーと、公園の管理者である市を従来民法の過失責任に基づき提訴しました。
2001年12月5日、横浜地裁は「箱ブランコPL訴訟」としては初めて、原告主張を全面的に認め、遊具メーカーと市に約124万円の損害賠償を課す原告勝訴の判決を下しています。遊具メーカーは、この判決を不服として、2001年12月17日に控訴し、市も12月19日に控訴しています。
少子化社会が急激に進む今日、遊具メーカーへのPL追及は厳しさを増しています。本稿では遊具メーカーに対し、「箱ブランコ」のメーカーへのPL判決1号となった本判決で、どのような点がPL追及されているかを検証し、今後の製品安全対策や、訴訟対応に活かしていければと思っています。
添付資料:2002年春発表された、国土交通省 “都市公園遊戯施設の安全性に関する調査委員会”の指針案。