予見可能な「製品改造」とメーカーのPL責任(日本企業が巻き込まれたPL訴訟例)(000516)
工場から製品が出荷され、メーカーのコントロールを離れた以降に「実質的な改造(Substantial Alteration)」を受けた場合、それが直接の原因となって負傷事故が発生したならば、アメリカの判例に基づくPL法(厳格責任)の下でも、メーカーに責任が無いというのが原則です。
ところが、この絶対的な抗弁に近い「実質的な改造」に対しても、原告側は更に「合理的に予見可能な改造であり、改造防止設計がなされていない」と設計欠陥を追及したり、「改造によって生じる危険対する警告が不十分」といった警告不備(警告上の過失や警告欠陥)を追及してきます。
このような状況の中で、ユーザーが電動ノコギリの安全ガードを外したことが原因となって負傷事故が発生し、日本メーカーへのPL訴訟へと発展しました。このケースでは、「製品の改造」に対し、どのような判断が下されたのでしょうか?今回の特集では、その他の改造に係わる判例と共に紹介します。