日本製石油ストーブが巻き込まれたPL訴訟(990330)
警告ラベルがあるにもかかわらず「石油の代わりにガソリンを使用した」という明らかなユーザーミスのケースにおいて、日本のメーカーのPLが追及されています。しかも、状況はメーカーに不利です(メーカー勝訴の第一審判決破棄)。
一見クレージーなPLケースのように見えますが、アメリカでは地域によっては灯油が日本ほど身近に手に入らない事情を考慮すると、アメリカ人にとっては「合理的に予見される誤用」であり、メーカーにガソリン使用への設計上の対処を求めることは、奇異なことではないのかもしれません。
石油もガソリンも安全に燃焼できる石油ストーブが安価にできるとは思えません。しかしセントラルヒーティングが主流のアメリカで、石油ストーブを使用する人々が、高価な石油ストーブを購入するとも思えません。生じる被害は火災・火傷と重大であり、陪審員制度の下では高額判決も十分予想されます。日本では安全に使用できる製品も輸出先によっては高いPLリスクがあることをこの判例は示しています。