誤使用とPL(230227)
「製品のメーカーなど事業者が意図した使い方とは違う方法で、ユーザーが製品を使用してしまうこと」を、一般に「誤使用」と言っています。
しかし問題となるのは、「事業者が意図した製品の使い方」と、「消費者が考える一般的な使用方法」に乖離が出てしまう点です。この乖離が大きければ大きいほど、問題となる誤使用の程度も大きくなり、重大な製品事故につながりやすくなります。
このため、メーカーとしても、誤使用か否かの線引きをどう考えれば良いか検討していく必要があります。しかし「誤使用」とは、使用している状況や背景から複合的に判断されるものであるため、実際には、定量的にも定性的にも明確に線引きする基準を設けるのは困難です。
このような状況においては、実際に誤使用が争点となった過去の事例を見ることが、誤使用の線引きの判断を行う上で有効と考えます。誤使用が発生する際にどのような認識の齟齬が生まれているか、実際に裁判所がどう判断を下しているかなどを確認することで、「誤使用」に対する境界線がどこなのかについて、参考とすることができます。
そこで本稿では、誤使用が争点となった4つのPL賠償訴訟判例を紹介し、どのようなことが争点となっているか、裁判所はどう判断したかなどをまとめたうえで、訴訟のポイントを解説していくこととします。
本資料が貴社のPL対策やリスクマネジメントに、少しでもお役に立ちましたら幸いです。
* キーワード:日本、PL、製造物責任、誤使用、判例、訴訟、事例
* 地域:日本