欧州におけるAIに対する民事責任指令案(230727)

現在、世界では自動運転やIoTなど様々な技術革新や、新たなビジネスモデルの創出が進められています。これに伴い、欧州においては、これら新たな技術やビジネスモデルに対応すべく、現行の規制の抜本的な改正や、新たな規制の創設を進めています。PL・リコールクラブにおいても、これまでに『製造物責任指令(PLD:Product Liability Directive)』、『一般製品安全指令(GPSD:General Product Safety Directive)』、『機械指令(MSD:Machinery Safety Directive)』の改正案について、解説してきました。

技術革新の中でも、特に人工知能(以下AIとする)は、この世の中のゲームチェンジャーになり得る技術として認識されています。AIとは、人間の問題解決能力や意思決定能力を、コンピューターや機械を利用して模倣および再現するものとされています。過去にもAIに関連する製品などは世の中に出ていましたが、2022年にOpenAI社が開発しリリースされた『ChatGPD』というチャットボットは、AIが質問に答えてくれるという機能を持っています。このチャットボットの存在は世の中にも急速に広まりました。

そのような流れの中、欧州の有識者からは、AIの責任追及の複雑性を懸念する意見が多く出ています。そのため、これは個別で規制を制定する必要があると考えられており、AIに関する民事責任を取り決める規制案についても作成されることとなりました。

そこで本稿では、このAIに対する民事責任規制案について試訳を行い、内容を解説することとしました。本資料が貴社のPL・リコール対策やリスクマネジメントにお役に立てば幸いです。

* キーワード:欧州、AI、人工知能、民事責任、指令、賠償責任
* 地域:欧州

上記は、SOMPOリスクマネジメント社で配信している『PL調査レポート』のタイトルと概要です。