FTCグリーンガイドおよびグリーンウォッシュの解説(240828)
近年、SDGs、CSR等の意識の高まりから世界中の企業が環境に配慮した原料、製造方法、エネルギーを用いて製品の製造、サービスの提供を行っています。消費者は、このような環境配慮が適正に行われた企業の製品として、安心して製品を購入するという行動を取ることが多く、また、企業の環境配慮の取り組みを株式投資の際の企業選定基準として活用しています。
しかし一方で、現在世界中で「グリーンウォッシュ」と呼ばれる不正行為が問題となっており、訴訟大国である米国では「グリーンウォッシュ訴訟」と呼ばれる訴訟が多数提起されています。
「グリーンウォッシュ」とは、環境配慮を過大または誤解を招く表現を以って宣伝し、実際の行動がその宣伝表示等に伴わないときに使用される言葉です。「グリーン(環境配慮)」と「ホワイトウォッシュ(ごまかす、隠す)」を組み合わせた造語とされています。これらに対する批判が訴因となった訴訟は「グリーンウォッシュ訴訟」、これらの活動を行っている企業は「グリーンウォッシュ企業」と呼ばれています。
企業が環境配慮をテーマとしたマーケティングを行う際に、消費者が企業の環境配慮を正しく判断できること、「グリーンウォッシュ」を防止することを目的とし、米国では、米連邦取引委員会(Federal Trade Commission、以下「FTC」とする)が「グリーンガイド(Green Guides)」というマーケティングガイドブックを発行しています。
「グリーンガイド」は1992年に発行されました。その後、1996年、1998年に更新され、現在は2012年に更新されたグリーンガイドが最新のものとなります。世界の環境に対する情勢変化やグリーンウォッシュの増加に伴い、FTCは更なる改訂を検討しています。
本レポートでは2012年発行のグリーンガイドの概要、および近年のグリーンウォッシュ訴訟や事案そして各国のグリーンウォッシュへの対応について紹介します。
本資料が貴社のPL対策やリスクマネジメントに、少しでもお役に立てれば幸いです。
* キーワード:虚偽表示、FTC、グリーンウォッシュ、経済損失
* 地域:日本、米国、中国、EU、英国