欧州の製造物責任の状況――欧州のPL法理と製品安全システムを解説する簡潔な入門書(141219)
本号では、欧州にPL法理(厳格責任法理)が導入された1985年のEC指令(85/374/EEC)から、1999年の部分改定、EC指令取り込みに当たっての欧州各国のオプション条項の取扱いといったPL法理にかかわる基本的な事項を紹介すると共に、欧州各国のPL判例をサンプル的に国ごとに紹介しています。
また、本号では、「自国に有利な安全規制を」との欧州各国の思惑の違いから、EU加盟国間で各国共通の製品安全法規を制定しようとする整合作業の動きが、10年近くもうまくいかなかった「オールドアプローチ時代」から、安全に係わる基本的な部分だけを「性能規格・機能規格」としてまとめ、整合作業の壁をブレイクスルーした「ニューアプローチ時代」への流れも紹介しています。
そして、欧州のPLを理解する上で、最も重要な基本的な「PL法理導入は被害発生後の救済に過ぎない。もっと川上の、PL事故を起こさせない安全な製品作りが重要」との考え方、そして「欠陥商品による被害を最小にするため、被害発生の端緒をいち早く捉え、被害の拡大を抑える早期発見、早期通知、早期対処が大切」との考え方が、本号では紹介されています。
既にお分かりと思いますが、本号は欧州のPL法理と、それを取り巻く欧州の製品安全システムを企業の新入社員の皆様に分かりやすく簡潔に紹介した入門書なのです。本資料が企業の皆様のリスクマネジメントに、いささかでもお役に立てば幸いです。
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*地域:欧州、ヨーロッパ、EU、EU加盟国