ブラジルのPL事情――ブラジルのPL法理、裁判制度、PL判例の紹介(141031)
◆1988年に改定されたブラジル憲法は、ブラジルで初めて「消費者の権利擁護に関する規定」を設けています。経過規定第48条により、新憲法公布後120日以内にブラジル国会は「消費者擁護法(ブラジルPL法を含む)」の策定を決定し、「消費者擁護法」は1990年に制定されました。
◆この消費者のニーズを拡大的に野心的に取り込んだ憲法の下で制定された「消費者擁護法」の下で、消費者の権利は拡大され、民事訴訟も起こしやすくなり、2012年度の提訴件数は9,220万件にも達しています。まだまだ賠償金額が低いのが被告側企業にとって救いですが、PL法理の観点や裁判所の訴訟指揮の観点からは、「ブラジルは被告企業にとって厳しい国」との認識を忘れてはなりません。ブラジルは消費者保護の法律と、PL法の観点からは、極めて消費者寄りの国と言えます。
◆そこで本号では、ブラジルのPL法とも言える「消費者擁護法」の日本語版抄訳を示すと共に、同法の(1)製造物の範囲、(2)責任を負う事故、(3)欠陥の定義、(4)責任主体、(5)免責事由、(6)開発危険の抗弁、(7)損害の範囲、(8)賠償責任限度額、(9)懲罰的賠償金、(10)責任制限・排除条項、(11)連帯責任、(12)集団訴訟、(13)出訴期限、(14)法定責任期間の項目について解説しています。
◆また、ブラジルにおける司法制度の概要を紹介すると共に、日本ではあまり紹介されないブラジルのPL判例や事例を9件、(1)事故の概要、原告の主張、(2)被告メーカーの反論、(3)裁判結果、(4)裁判所の見解といった項目で紹介しています。また、ブラジルのリコール制度についても紹介しています。本資料が企業の皆様のリスクマネジメントに、いささかでもお役に立てば幸いです。
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*地域:南米、ブラジル