企業リスク情報誌『SAFETY EYE NEO』

No.3(2012年2月発行)温室効果ガス排出規制と企業の取り組み

ESG/CSR/環境

本誌、「SAFETY EYE NEO」は、NKSJリスクマネジメントが、企業におけるリスクマネジメント実践の推進に役立てていただくことを目的に、毎回、企業を取り巻くリスクに関連するテーマを特集しています。
今回は「温室効果ガス排出規制と企業の取り組み」というテーマを取り上げました。
近年、地球温暖化防止に向けた取り組みが、世界的に進められています。日本においては、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%、2050年までに80%削減するという目標を掲げ、これらの政策の位置付けや基本的な方向性を明らかにする「地球温暖化対策基本法」制定に向け、現在協議が行われています。このような中長期的な目標を達成するためには、今後、国内排出量取引制度や地球温暖化対策税を始めとする政策が導入されるものと考えられます。
国の制度が決定する前に、いち早く、東京都では2010年4月より「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」を開始しました。当制度は、地球温暖化の原因であるとされる温室効果ガスの総量削減を確実に達成する実効性の高い制度と言われています。当制度では都内大規模事業所を温室効果ガス排出量の削減義務者としていますが、都内中小事業所での温室効果ガス削減量や再生可能エネルギーによる環境価値をクレジット(排出権)化し、取引を行うことにより、大規模事業所の削減義務に充当することが可能です。また、地球温暖化対策の推進の程度が優れた事業所は、トップレベル事業所等に認定され、削減率の緩和を受けることが可能です。当制度では、算定した排出量等の正確性・信頼性を確保するため第三者(登録検証機関)による検証が義務付けられています。当社は、2010年3月に東京都の登録検証機関となり、検証業務を開始しています。
そこで、本誌では、第1章に当制度の概略を、当社コンサルタントの橋本幸夫がわかりやすく解説しています。
第2章では、当制度の削減義務対象事業所を複数所有している日本土地建物株式会社の布施一夫氏より、地球温暖化対策に求められる企業の取組み姿勢や対策事例について、ご説明いただきました。
本誌が、企業の温室効果ガス排出に伴うリスクに対する考え方や、温室効果ガス排出量削減への取り組みの一助になれば幸いです。

第1章 東京都「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」の概要
 1. はじめに
 2. 東京都「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」
 3. おわりに
第2章 「企業に求められる低炭素規制リスクへの対応」―日本土地建物株式会社の取り組み例―
 1. はじめに
 2. 日土地の低炭素規制リスクへの取り組み状況
 3. 「日土地ビル」における環境負荷低減の取り組み事例
 4. まとめ
 参考 NKSJリスクマネジメントの環境関連サービス

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